あなたのためのヘルスセミナー V0l.13

 健康を創る食生活とは?

児玉陽子の正しい「食養」のすすめ

第13回 “温性食材”で冷え症対策を!

児玉陽子 (食生活アドバイザー)

株式会社エナジックインターナショナル 広報誌 『E-FRENDS』より転載

児玉陽子 略歴:

1936年3月、台湾・台北市生まれ。 55年に皮膚病、59年に結核を発症。東邦大学病院の日野厚博士の指導により「日野式食養」を実践し快癒。 以来、食養研究を始め、69年から公益財団法人・河野臨牀医学研究所(東京都品川区)で食養指導を開始。 78年には日野博士と共に日本初の「食養内科」を松井病院(東京都大田区)に設けて食養指導を実施。95年、同病院顧問に。 現在はフリーランスの立場で、食生活についての指導・啓蒙活動をおこなっている。 主著に『臨床栄養と食事改善指導』『アレルギーにならないための離乳食』(いずれも緑書房)など。

今回は「冷え症」を取り上げてみます。その症状は、手足の先の四肢末端や上腕部、大腿部、へその下あたりが温まらず、冷えが自覚されている状態を指します。(中には無自覚の人もいますが)。

冷え症と言えば、女性に多い症状として知られています。もちろん個人差はありますが、女性の半数から7割近い人が冷え性に悩まされているとされるほどです。

なぜか? 女性は男性に比べると熱を作り出す筋肉量が少なく、また皮膚の表面温度も低く、さらに貧血や低血圧の人も多いためと考えられています。

だいぶ前ですが、九州の『西日本新聞』に、ある女子高のクラスの半数の体温が 35度台で、生理不順も多く、便通も悪いとする記事が載りました。もともと子どもの体温は成人より0.5度程度高いものです。それが真逆の結果でしたから、強く印象に残ったのです。こうなると、男性より筋肉量が少ないから、という理由だけでは済みません。悪しき生活習慣が絡んでいるのではないか?

エアコンの普及、衣服や食生活の変化、夜型生活や運動不足、ストレスの増大など、日常生活で身体にとってマイナスとなる習慣が常態化し、それが冷え症に結びつくのでは、と思われるのです。冷え症もいわば「生活習慣病」の一種ととらえられるでしょう。それは、とくに食生活との関係で言えることです。

■低体温は病気を誘発!

人の胃や腸などの消化管内では、消化のさいに入ってきた飲食物を温めることで熱が消費されます。したがって、飲食物の温度は身体の「冷え」に大きくかかわってくるのです。さらに、胃腸の中の消化酵素がもっともよく働くのは36~37度とされています。これを下回ると、人が本来持っている消化機能が100%発揮できなくなるのです。

したがって、冷え症を誘発しかねない食生活は避けなければなりません。冷たいビールのガブ飲みや、真冬に暖房を効かせてアイスクリームをたくさん食べたりすることは良くありません。体温が下がると血流が悪くなり免疫力も下がって、いろいろな病気にかかりやすくなります。

冷え症を防ぐには体の熱を保持する必要があるため、温かい食品を摂取することが望まれます。古来より中国では、すべての食べ物を温性、冷性、その中間の平性に分類し、冷え症の人には、温性の食物を多めに摂るよう勧めてきました。わたしがいた松井病院の食養内科でも同様の食事対応をしていました。

そこで温性の食材を紹介してみましょう。穀物ではもち米、ライ麦。油脂類はごま油、豆類はグリーンピース そら豆に納豆。種実はクルミ、栗。魚介類はアジ、サバ、イワシ、フグ、海老、タイ、カツオ、ブリ、あなご、うなぎ等。肉は羊肉、鶏肉、鹿肉。果物は桃、リンゴ、ざくろ等。野菜は根菜類が特にお勧めです。ニンジン、ダイコン、ゴボウ、カブ、レンコン、ジャガイモ、サツマイモ、ヤマイモ、サトイモ、ショウガ、ネギ、ワサビなどですね。玉ネギ、ニラ、ニンニク、シソ等もいいですね。

日ごろ冷え症に悩んでいる人には、こうした食材を使った食生活をぜひお勧めします。

Global E-Friends 2020.2015

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