あなたのためのヘルスセミナー Vol.22

 健康を創る食生活とは?

児玉陽子の正しい「食養」のすすめ

第22回肥満解消のための食生活はこれだ!

児玉陽子 (食生活アドバイザー)

株式会社エナジックインターナショナル

広報誌 『E-FRENDS』より転載

児玉陽子 略歴:

1936年3月、台湾・台北市生まれ。 55年に皮膚病、59年に結核を発症。東邦大学病院の日野厚博士の指導により「日野式食養」を実践し快癒。 以来、食養研究を始め、69年から公益財団法人・河野臨牀医学研究所(東京都品川区)で食養指導を開始。 78年には日野博士と共に日本初の「食養内科」を松井病院(東京都大田区)に設けて食養指導を実施。95年、同病院顧問に。 現在はフリーランスの立場で、食生活についての指導・啓蒙活動をおこなっている。 主著に『臨床栄養と食事改善指導』『アレルギーにならないための離乳食』(いずれも緑書房)など。

「肥満」といえば、病気から生じる一部のケースを除く大部分が、食べ過ぎ=脂肪の過剰蓄積によって引き起こされます。そこで食生活の改善こそが最良の解決策であり、まさに食養の出番なのです。

肥満を計る指数で一般的なのが、皆さんご存知のBMI (Body Mass Index) ですね。計算式は、[体重(kg)]- [身長(m)の2乗]です。皆さんもご自分の身長・体重から計算してみてください。日本では日本肥満学会が18.5~25未満なら普通で、それ以上は肥満と分類しています。

改めて肥満の原因を述べてみますと、糖質・脂肪・タンパク質など食物で摂取するエネルギーが、消費エネルギーを上回るために起こります。このように過食と肥満は密接な関係にありますから、何といっても、正しい食生活こそが肥満防止(または減量)の決め手なのです。

肥満が怖いのは、身体に負担がかかり、多くの病気を引き起こすためです。実際、肥満の人たちの多くが、糖尿病や痛風、肝硬変、胆石などから心臓病、脳出血といった重篤な病まで、何らかの異常をきたしています。そこで、あるべき食養を以下に示してみました。

まずは「食べ方」ですが、間食や夜の大食は厳禁です。早食いやまとめ食いも避けましょう。味付けは全体的に薄くする方が、賢明です。

■「GI値」の低い食品を!

食事内容としては、できるだけ「グリセミックインデックス(GI値)」の低い食物を摂るように心がけましょう。GI値とは「食品ごとの血糖値の上昇度合いを表現する数値」で、通常、GI値「60」を目安とし、それ以上の食品は避けた方が良いとされています。

たとえば精白米は80以上ありますが、玄米は55程度、という具合で、なるべく精白した食品は避けましょう。それらは必要なビタミン、ミネラルが取り除かれて栄養価が少なく、血中の中性脂肪を上昇させやすいという性質もあります。

また、上白糖などは100を超える高いGI値ですから、甘味食品には十分注意が必要です。

一方、未精白食品は栄養素が多く、繊維にも富んでいるため咀嚼回数が増えて満足感を味わうことにもつながってお勧めです。

大切な栄養素のタンパク質は肉や卵、魚類からよりも大豆製品などから多く摂ることを勧めます。ビタミン、ミネラルは、エネルギーが低い野菜や海草類で十分に摂取しましょう。

最後に減量を始めるに当たって注意すべき点を。高度の肥満であっても、最初から急激に熱量を低下させることは危険です。徐々に減量に体を慣らしていくようにしましょう。また、アルコール類は食欲をそそり糖分の摂取にもつながるので、禁酒が最適です。

努力して標準体重に戻ったら、今度は労働と運動の量も踏まえた適正カロリーを維持していきましょう。

Global E-Friends 2020.11

※あなたのためのヘルスセミナー
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